- 古川禎久法相は2022年7月29日の閣議後記者会見で、外国人が日本で技術を学ぶ技能実習制度について「国際貢献という目的と、人手不足を補う労働力として扱っている実態が乖離(かいり)しているとの指摘がある。理念と実態が整合した制度づくりを目指す」と述べ、本格的な見直しに取り組む考えを示した。
- 古川法相は今年2月以降、勉強会を実施・有識者11人にヒアリングし、この日の会見で所感として発表。
技能実習については、多額の借金をして来日したり、原則3年間は職場を移る自由がなかったりするため、不当な扱いを受けても相談や交渉ができない実習生がいるとの指摘があったと言及した。また、制度の適正実施を監督する「外国人技能実習機構」や受け入れ実務を担う監理団体の相談・支援体制が機能していない例があるとの見方も紹介した。 - その上で見直しを検討するポイントとして、以下の4点を挙げた。
① 技能実習制度の趣旨と運用実態の分かりやすい整合
② 外国人労働者の人権の尊重
③ 外国人労働者にとっても、日本にとってもプラスになる仕組みの構築
④ 今後の日本社会のあり方に沿った制度設計